高松の池周辺の鳥たち①

冬の高松の池で見ることができる水鳥たちについて以前書いたのだが、今度は高松の池周辺にいる別の鳥たちについても少し触れてみようと思う。

きっかけは、高松の池の南にある神庭山に登る途中で鳥の紹介パネルを見かけたこと。

高松の池周辺の鳥たちを紹介するパネル。娘と神庭山(山と言っても徒歩数分の丘)に登るまで、このパネルの存在を知らなかった。2021.2.13.
パネルのアップ。2021.2.13.

キジ、ウソ、カルガモ、ミコアイサあたりは良く見かけるが、アカゲラなんて見たことないな。えっ、カワセミまでいるのか!?30年以上池に出入りしているけれど一度も見たことがないぞ…!!


と思ったので、面白そうだからパネルに描いてある鳥たちを探して写真を撮り、このページなどにアップして行きます。
もうじきハクチョウやカモたちは北に渡って行っていなくなっちゃうし、ちょうど新しい被写体が欲しいところだった。娘よ、パネルを見つけてくれてありがとう。

キジ

キジ目キジ科キジ属。全長∶オスが81cmほど、メスが58 cmほど。体重∶オスが0.8~1.1kg、メスが0.6~0.9kg。写真はキジのオス。カラフルで綺麗だ。2020.5.11.
キジは岩手県の県鳥であり、多少意外だが日本の国鳥でもある(ツルとかトキとかだと思っていた)。写真は、追いかけるオスと逃げるメス。2020.5.17.

カルガモ

カルガモは留鳥なので、冬限定の他のカモたちと違って一年中高松の池にいる。2020.9.19.
カモ目カモ科マガモ属。全長50〜65cm、体重0.7〜1.4kg。性差があまりなく個体差が大きいため雌雄の判別は難しい。2021.1.17.

ミコアイサ

カモ目カモ科アイサ属。全長38~44cm、体重0.7~0.9kg。上下の写真は繁殖羽なので雌雄の差は歴然。幼鳥時やエクリプス時は雌雄が似ているようだが、高松の池には基本的に冬しかいないので、それを見ることは希だろう。写真は雄。2021.1.17.
雌。真冬の冷水に素足を投げ出して寒くないのか不思議だったが、水鳥たちは「ワンダーネット」、日本語では「奇網」もしくは「奇驚網」と呼ばれる独自の血管構造を足の付け根あたりに持っていて、足への血流は保ちつつ、足は5℃、体は40℃、と体温を分けて保持できるんだって。器用。というか進化というのは凄い。確かにサウナ後の水風呂は冷たいけど、水風呂後の水シャワーは冷たくないもんな。…と思ったけど、それはこの話と関係あるのかないのか(笑)。2021.1.9.

アカゲラ

キツツキ目キツツキ科アカゲラ属。全長20~24cm、体重66~98g。雄は後頭部が赤色で、雌は頭部全体が黒色(幼鳥は雌雄ともに頭部に赤い毛が見られる)。頭部の色以外での雌雄の判別は難しい。2021.2.28.
冒頭で「アカゲラなんて見たことない」と書いたが、探してみると普通にいた。いかに普段意識せずボンヤリ暮らしているかが分かる。逆にいえば、意識をもって暮らせばきっと色々なことに気づける、ということか。しかし2枚とも写真のアングルが良くないな。いずれ全身を写して、差し替えたい。2021.2.28.

コゲラ

キツツキ目キツツキ科アカゲラ属。全長13~15cm、体重18~26g。オスよりメスがやや大きい。オスは目の後ろの白い毛のさらに後ろに赤い毛が数本あるが、フィールドでは滅多に見られないという。ということで雌雄判別はやっぱり困難。2021.2.28.
コゲラは1スパン0.3秒で8~9回ドラミング(木をつつく行為のこと)し、アカゲラは1スパン0.6秒で13回くらいドラミングするという。この日両方のドラミングの音を聞けたが、コゲラはカカカッと早くて軽く小気味良く、アカゲラはコンコンコンッとしっかりした音だった。…お、コブシの花ももうじき咲きそうだぞ。2021.2.28.

エナガ

スズメ目エナガ科エナガ属。全長約14cm、体重5.5~9.5g。雌雄同形同色で見た目での判別は不可能。2021.2.28.
明治果汁グミブドウ味1粒3.4g、森永キャラメル1粒4.6gと聞くと、体重5.5~9.5gがいかに軽いかが分かる。何トンもある恐竜が自分の子孫の体重が果汁グミ2~3粒分しかないと知ったら、きっと仰天することだろう。人間は1億年後にどう進化している?2021.2.28.

ウソ

スズメ目アトリ科ウソ属。全長15~16cm、体重21~34g。雄の頬と喉に淡紅色の部分があり、雌にはない。写真は雄。2021.28.
同じく雄。口笛の古語がオソで、鳴き声が口笛のようだからオソ、後にウソとなったという。桜、特にソメイヨシノの花芽が好物で、身を隠せる針葉樹が側にある環境では食害が進むらしい。高松の池の環境はバッチリそれだが、これまた全く意識していなかった。花がまばらになっている桜の樹があるか、今年は良く見てみよう。2021.2.28.

シジュウカラ

スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属。全長13~16.5cm、体重11~20g。雄は喉から尾羽の付け根にかけての黒い縦線が雌より太い。写真は雄。「四十雀」の名の由来については、「沢山群れるから」という説と「地鳴き(繁殖期のさえずりではない、普段の鳴き声)を昔の人がチジュ・ジジュ・シジュと聞き取ったから」という説があるらしい。2021.2.28.
「老(おい)の名のありとも知らで四十雀」とは松尾芭蕉の句。「四十という中老を表す名前がついてるなんてことは全然知らないシジュウカラです」というこの句の真意の解釈は、芭蕉がこの句を詠んだシチュエーションや心情など周辺情報を調べた上でそれぞれが出せることだろう。それよりも個人的に注目すべきところは40代が老人と見なされている点。私も40代だが、残された時間が短いことをもっと意識して、覚悟をもって生きた方が良いのかもしれないなぁ、と思ったり、息子を失ってからは死を意識しながら、それなりに覚悟をもちなから暮らしているかも、と思ったり。まあ、覚悟の度合いは実際に死ぬ間際にならないと分からない。ようやく息子に会える、と思うかもしれないし、妻と娘と別れがたい、と思うかもしれないし、単純に痛みや死への恐怖に苦しむかもしれない。2021.2.28. 雄。

いつも思うことだが、盛岡は恵まれた土地だ。市街地のすぐ近くにこんなに生き物が沢山いる素敵なスポットがあるのだもの。高松の池以外にも色々あるしね。


さてパネルの鳥17種のうち8種を載せたところで写真のストックが無くなったので、このページはこれで終わりにする。今後は残り9種を探して高松の池を散策し、「高松の池周辺の鳥たち②」を別ページで作って写真を載せていこうと思う。

(2021.3.3)

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