寒波によせて

今年の冬は久しぶりに大分寒い。2004年から10年ほど一戸町の奥中山に住んでいたが、盛岡も今年はそこに負けないくらい寒いのではないだろうか。どれどれ、とアメダスを見てみる。えっ。何と昨日2021年1月3日の奥中山の最低気温は-19.4℃だったそうだ。盛岡は-12.6℃。やはり奥中山は格別に寒い。

奥中山時代は駅の近郊にある「すずらん荘」という昭和なネーミングのアパートの2階に暮らしていたのだが、名前通り実に古めかしい物件であった。家賃は6畳2間+台所風呂トイレで月3万円。や、安ーい。

このアパートにまつわる思い出はたくさんあるが、寒さに関するものも多々ある。その中で特に印象深いのは、冬の強烈に寒い日の夜にあっという間に排水管が凍結し、ある時は洗濯機の排水だったり、またある時はシャワーの排水だったり、とにかくアパートから出ていく水がことごとく排水溝から逆流しては台所の床を水浸しにしたことである。この事態を不覚にも10年で10回以上経験してしまった。シャワー中にコトが起こり裸のまま慌てて外に出て(モタモタしていると1階の住人の住む部屋の天井から雨漏りというか排水漏りが発生してしまう)、アパートの外に露出する排水管にベランダから手を伸ばしてヤカンで熱湯をかけて、その作業中に濡れた髪と体毛が一瞬でパリパリに凍ったこと。アパート退去時に1階と2階の間の木材が水漏れですっかり傷んだからと大家さんに修理費用100万円を取られそうになったこと。大家さんに同行してきた工務店の店主が排水溝周りを調べて、問題はアパートの構造の方にある、と大家さんを説得してくれたこと。…懐かしい。思い出に浸りながら、自然と笑みがこぼれてくる。主に苦笑いが、だけど(笑)。

すずらん荘の内部。2008.1.14。文章の流れ上古めかしく寒々しい感じの写真を貼りたかったが、全く出てこなかった。色々と、若かったのね。しかし壁に直刺しされた蛾の標本が実に悪趣味。これには理由があるのだが、また別の機会に書く。
蛾の標本のアップ。左上∶アケビコノハ、右上∶ヒメヤママユ、中央∶マツカレハ、下∶クスサン。

さて、年末年始は勤務先で除雪作業に追われた。そういえば夏は除草作業に追われていた。ちなみに本業は除雪でも除草でもないのだが、何でも屋的な立ち位置の部署に所属しているので仕方ない。除草除雪で時間を食って本来業務がたまってほとほと参る、というわけでも全くないのが何とも切ない。 
ということで前置きが大変に長くなってしまったのだが、このページで書きたかった内容はここからである。
今回雪かきをしていてふと思ったこと、それは雪かきスコップに重量計測機能とメモリー機能を付けたら面白いのでは?ということである。人間とはとにかく人と比べたがる生き物である。それに大抵は自分に甘く他人に厳しい生き物である。それに成果が目に見えると俄然やる気が出る生き物である。逆に成果か見えないとなると手を抜く生き物である。 

雪かきスコップに量りとメモリーをつけるとどうなるかというと、自分が持ち上げた雪の重量の合計を客観的な数値で知ることができるのである。昨日1トンだったから今日は1.1トンやるぞ、と意気込むもよし、チキショー絶対あいつよりも沢山運んでやる、と息巻くもよし。貴様手を抜くとはけしからん、と怠け者を責め立てても良いし、除雪量と体重の推移をリンクさせてグラフ化しツイッターで呟いても良い。活用の仕方はあなた次第だ。

と言うことでこれを読んだ賢い小学生のあなた、冬休みの自由研究で発明してみませんか(笑)。多分ちょっと話題になると思います。

(2021.1.4)

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