カミソリ(確認作業終了)

息子が亡くなった後から、頭を丸めている。

初めは自前のバリカンで刈っていたが、そのうち手っ取り早くT字カミソリで剃るようになった。使っているのは貝印のイグニスという使い捨ての5枚刃のもので、大変良く剃れるので気に入っている。
さて、最近イグニスがなくなって近所のスーパーに買いに行った。いつも思うがカミソリの種類は豊富だ。価格も上から下まである。それを眺めているうちにふと気になる。「安いカミソリとちょっと高いカミソリとではどちらがコストパフォーマンスが良いのだろうか」と。どうしようか悩んだが、結局何となく目についたジレットのフュージョン5+1プログライドというちょっと高い替刃式カミソリを買ってしまった。

値段は、その店ではイグニスは6本入り499円(税込)。1個83.2円。大体4~5回頭を剃ればそれ以上は全く剃れなくなるので、5で割って1回の使用あたり16.6円。プログライドは刃が2個と柄が1本入って1290円(税込)。1個645円(柄の代金はとりあえず無視する)。1回あたり16.6円にするためには…、と計算すると、え、なんと39回の使用に耐えなければならない。2日に1回使うとして2.5ヵ月。3日に1回なら4ヵ月弱。替刃の長寿命をうたうジレットでも、推奨交換タイミングは1ヵ月に1回と書いてある(週2~3回使用時。多分髪を剃る想定ではないはず)。これはちょっといける気がしない。…うーむ仕方ない、ネットでプログライドの最安のものを探して、それで比較することにするか、とネットを見ると、替刃13個で3678円(税込)、送料無料というのが出てきた。これで計算すると1個283円、1回あたり16.6円にするには17回使えば良い。これでもかなり無理があるが、もしかしたら高い分頑張ってくれるのかもしれない。よし、17回を目指して試してみることにする。

ジレットのフュージョン5+1プログライド。フレックスボール(オレンジのところ)テクノロジーにより顔の凹凸に合わせて刃が自在に動いてフィットし、剃り残しを防ぐらしい。刃も飽くなき改良で進化しているらしい。

ちなみにネットを見るとデニム生地等の厚手の布で刃先を擦れば切れ味が復活するとか、サビの発生を抑制する成分が染み出すホルダーがあるとか、エラストマー(ゴム素材)製砥石があるとか、色々出てくる。が、今回はそういったものは試さず「剃り終わったらカミソリを良く洗って水気を切り、風呂の外に置いて乾燥させる」という扱いだけで17回の使用を目指してみる。

この文章は髪が生えそろう2~3日に1回ずつ試していくので、本当に17回までいけるとしたら書き終わるのに1ヵ月以上かかる。そしてその間の2~3日に一度、剃り終わった自分の頭部の写真と剃れ味の感想を載せていくだけだと大分単調な気がする。間を持たせるために時々何か挟むことにしよう。「お坊さんが頭を丸める理由」を調べて書いてみようか。いやまあ、ブログを開設して1か月弱で見ている人がいるか不明の状況で間を持たせる必要があるのか、若干疑問ではあるけれども。…それにメインターゲットである娘が将来この文章を見て何か得るものがあるのかも、甚だ疑問ではあるけれども(笑)。

(2021.1.23)

1回目。2021.1.23。とりあえず問題なく剃れたが、使い捨てのイグニスより剃り終わるまでに時間がかかり、多少驚いた。フレックスボールテクノロジーがうまい具合に力を逃がし、ジョリジョリと深剃りできない。値段が高い理由は長い目で見た時のコスパよりも剃り心地にあるのでは?とも思っていたが違ったか。まあ、カミソリって本来ヒゲを剃るために作られているものだしな。ちなみに頭皮にはそれなりに優しそう。刃先は見た目変わりなし。1回目なので1回使用当たり¥283。
2回目。2021.1.25。意外にも既に若干剃り味が落ちてしまった。写真を見ても頭頂部に1回目のような光の反射がない。この調子だと、5回くらいでギブアップしてしまうかもしれない。刃先は光に当てると微妙にギザギザしている。1回使用当たり¥141.5。
3回目。2021.1.27。なぜか2回目よりもうまく剃れた。このカミソリに頭皮が慣れてきたのだろうか。この調子なら5回は行けるかもしれないぞ。まあ、目標は17回なのですが。刃先は2回目よりもギザギザが目立ってきた。1回¥94.3。
4回目。2021.1.29。普段は娘を風呂に入れる前に急いで剃っているが、今日は一人で近所の温泉入浴施設に行かせてもらったので、時間をかけて良く蒸らしてじっくり剃れた。イグニスの4回目使用時に感じる「あ、そろそろ終りが近いな」という感覚は今のところ無し。これはひょっとすると本当に17回行けるかもしれない。刃先はギザギザしているように見えるが、剃り味は3回目と違いがなかった。1回¥70.8。
5回目。2021.1.31。このカミソリの使い方がだいぶ分かってきた気がする。イグニスの5回目の時とは違って、剃った後全くヒリヒリしない。まだまだ問題なく剃れそうだ。1回あたり¥56.6。

浄土真宗は髪型に決まりはないそうだが、息子の墓があるお寺は曹洞宗なのでご住職はツルツル頭だ。ちなみに今のご住職の息子さん、いずれ後を継ぐ副住職(私の中学校時代の同窓生だ)もツルツル頭だ。二人とも、いつ見ても坊主頭というよりスキンヘッドの状態が維持されている。禅宗(曹洞宗も禅宗)は修行時代は4と9が付く日に剃髪するそうだが、修行を終えてもずっと4と9の日に剃っているのだろうか。次会った時に聞いてみたい。

お坊さんが髪を剃る理由① 
煩悩(欲や怒り、愚かさなど)は、それを捨てて無我無欲自然な心に近づいたと思ってもすぐに生じてくる。きれいさっぱり剃ったと思ってもすぐに生えてくる髪を煩悩に見立て、何度も何度も剃ってはその度に頭皮も心もあらためる。

6回目。2021.2.3。相変わらず全く問題なく剃れている。剃った後のヒリヒリは一切なし。やはり高いものって高いだけの理由があるのだなぁ、と納得。刃先は、4回目くらいから違いが良く分からない。1回¥47.2。
7回目。2021.2.5。なんとなくヒリつくような気もしなくもないが、ほとんど6回目と変わりなしの剃り味。まだまだ余裕だ。1回¥40.4。
8回目。2021.2.7。なんとなくヒリヒリする気がするような、しないような。体感的にはまだまだしばらく使えそう。刃先の見た目は肉眼ではずっと変わりなく見える。1回¥35.4。
9回目、折り返し。2021.2.9。7回目、8回目が何となくヒリヒリした気がしたので、髪の生える方向に逆らって剃るのは控えた。結果として今までほど深剃りはできなかったが、全くヒリヒリしない。このまま17回行ける気がする。刃先は、ギザギザぶりは変わらなく見える。1回¥31.4。
10回目。2021.2.11。相変わらずストレスなく剃れている。刃を逆立てて剃らなければヒリヒリもしない。剃り心地も刃先の見た目も、4、5回目あたりからほとんど違いがない。ほぼ間違いなく、17回行くだろう。1回¥28.3。

お坊さんが髪を剃る理由②
仏教を開いたお釈迦さまが出家時に頭を剃り修行中も剃髪していたという伝承があり、少しでもお釈迦さまに近づけるように頭を剃る。
お釈迦さまがなぜ剃髪したかは、当時のインドの人々は髪とヒゲをとても重要視しており(罪人への刑罰として髪とヒゲを剃り落として追放するというのがあった)、出家にあたってそのような大事にしているものを捨て去り(妻も子も王子の地位も捨てた)、俗世から離れて真理の追究に一生を捧げるぞ、という覚悟から。
※仏教についてもいずれ本気で勉強してみたい。

11回目。2021.2.15。ずっと2日おきに剃っていたが、今回は4日ぶりに剃った。その結果、良い感じに頭皮も落ち着いており大変剃りやすかった。実験で2日おきに頑張って剃っていたけど、少し感覚を開けようかな。1回¥25.73。
12回目。2021.2.19。また4日ぶり。変わりなく良く剃れていてヒリヒリ感もゼロ。まだまだ行けます。1回¥23.58。
13回目。2021.2.22。3日ぶり。4日ぶりだと全くヒリヒリしなかったが、3日ぶりでも大丈夫そう。カミソリはさすがに見た目でギザギザが目立ってきた。しかし剃り味自体はやはりあまり変わりなく、まだまだ行けそうな感じ。1回¥21.77。
14回目。2021.2.26。今回も全くヒリヒリせず、快調に剃れています。あと3回で目標達成だ。1回¥20.21。
15回目。2021.3.1。時間があったのでゆっくり丁寧に剃ることができた。結果、ピカピカになった。剃れ味自体はずーっと変わらない。ヒリヒリもしない。1回あたり¥18.87。遂に10円台に入った。
16回目。2021.3.4。今日も快調。刃のギザギザぶりも剃れ味も、ある時から悪くならないままずっと一定に保たれている。高いものって高いだけの理由があるのだなぁ、と納得、満足。残すところあと1回。1回¥17.69。
17回目。2021.3.8。1回あたり¥16.65、ということで遂に16.6円台に突入し、無事に実験終了。しかし最後まで剃れ味は良いままだった。

いやはや恐るべし、フュージョン5+1プログライド。初めは5回でも無理なのでは?と思ったけれど、予想に反して余裕で17回使えた。
これで一応安い使い捨てカミソリとコスパが一緒ということになったが、本当は39回使わなければならないので、今後もしばらく使用を続けようと思う(スキンヘッドとカミソリの刃先を撮ってアップするのは終わりにする)。剃れ味の感じではまだまだ行けそう。

さて、先日心強いアイテムを入手したので写真を載せておく。

カミソリ刃クリーナー、アマゾンで税込み送料無料で¥698で購入した。エラストマー製ということで弾力があり、カミソリの刃を押し付けると変形して5枚すべてがしっかり表面に当たる。そこに石鹸と液体コンパウンドを数滴乗せて前後にこすることで、刃を研ぐことができるという商品だ。実験に使っていないイグニスをこれで研いだらしっかり剃れ味が復活したので、実験が終わったプログライドにも使ってみようと思う。もしかしたら本当に39回行けるかもしれない。どこまで記録を伸ばせるか、楽しみだ。

(2021.3.8)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!